青春18きっぷで行く北アルプス

折立〜雲ノ平〜高天原温泉〜水晶岳〜野口五郎岳〜高瀬ダム>

8月1日(水)

4:30起床。5:00朝食。5:30出発。

今日も天気は最高。最初の予定では、これから昨日行った温泉沢の方に下り、そこから温泉沢の頭へ登って、赤牛岳、水晶岳に登るコースを考えていたが、山荘の主人に相談した所、このコースは大変だ。岩苔乗越から水晶岳に登るコースがお勧め」ということであったので、コースを変更する。

山荘前は登山客で混雑して、準備運動ができないので、昨日来た道を岩苔乗越分岐まで引き返し、5:40そこの空き地で準備運動をする。ここで東京のYさんとお別れである。彼女はもう一度雲ノ平へ引き返して、スイス庭園を見たいとのこと。その後、祖父岳、鷲羽岳から新穂方面へ下るということであった。残念だが、私のホームページ「山歩きの想い出」で、すぐに会えるからと元気よく出発して行く。

元の男性グループに戻った私達は5:55に岩苔乗越に向けて出発する。しばらく森の中の緩やかな坂道を登って行く。6:10三俣、雲ノ平分岐点で休憩する。6:20水晶池の分岐点にザックを置いて、片道5分で水晶池に降り、写真を撮って帰る。そこには「水晶池へ3分」「岩苔乗越へ120分」と表示してある。池は大きくはないが、静かで、幻想的。できればゆっくりしたい所である。6:48沢で休憩。7:33コゴミの群生の中を行く。

7:58雪渓を渡り、更に大沢を渡って、8;07から休憩する。これから傾斜が厳しくなる。8:37雪渓の横のゴロ道を登って行く。しばらく登ると水晶岳、高天原分岐。祖父岳の方から雪の尾根を下ってくる団体が見える。

8:56岩苔乗越到着。ここには多く登山者が休んでいた。これから私達のように水晶岳へ行く人たち、鷲羽岳の方へ行く人たち。

9:12ワレモ分岐。ここで休憩して壮大な景観を記憶に納める。振り返れば、はるか向こうにに雲ノ平山荘が小さく見える。その向こうには薬師岳がどっしりと聳えている。これから進む方には水晶岳の手前の赤岳が待っている。

9:30残念なことにここでカメラのバッテリーを使い切る。後は同行の西本さんのカメラに頼るほかはない。山では充電ができないので、しっかり予備を携帯しなければならないという教訓を得た。9:24雷鳥の親子に出会う。こんなに良いお天気の日でも出て来るのか?親がクークーとしきりに3羽の雛を呼んでいる。

9:40右に槍ケ岳があの雄姿を見せる。その左には常念岳、さらに大天井岳と懐かしい山々がすぐそこに聳えているように見える。

9:50赤岳の下でイワギキョウ。はるか彼方には富士山が雲の上にくっきりと姿を見せている。9:53「水晶小屋へ20分」の表示。この辺りにも

イワギキョウ、ミヤマオダマキが見られる。折角写真撮影をお願いしたが、花の画像を掲載する余裕がない。

10:07水晶小屋分岐。ここは赤岳で水晶小屋がある。そこにザックを置いて水晶岳を目指す。振り返ると雪渓カールの山の向こうに槍ケ岳、富士山、常念岳、さらに大天井岳が見える。10:36木の梯子を登る。

10:52大きな岩がごろごろした黒岳と呼ばれる水晶岳(2986m)の頂上に立つ。そこには先程私達を追い抜いた黒部五郎岳から来たという元気な女性が休んでいた。頂上は岩であるが、その周辺には花もあり、水晶のようにキラキラ輝く小石が散らばっている。これを更に進めば、北峰(2977.7m),更にこの稜線は赤牛岳に続き、昨日露天風呂に入った温泉沢に降りることができる。

水晶岳頂上から東を見れば、これから登るハゲ山のような野口五郎岳がどっしりと控えている。

11:00に頂上を出発した私達は来た道を引き返して、11:18に木の梯子を通過する。お天気は良いし、冷たい風が気持ち良い。「この快い冷風を下界の皆さんに届けてあげたい」という気持ちで一杯であった。11:45に水晶小屋に戻る。予定ではそこで昼食をとろうとしていたが、小屋の周囲は混雑していて、ゆっくり弁当をひろげる余裕などない。その上、風の吹きさらしなので、野口五郎岳へ向けて出発する。

赤茶けて滑りやすいザレ斜面の急坂を下っていると、臑まである地下足袋を履いた元気な2名の若い男性が、大きな荷物を背負って登って来るのに出会う。「履き心地はどうですか」「軽くていいですよ」

そう言えば、私達夫婦が若かった昭和46年の夏、何の山の知識もなく、セーターと軽装の雨具だけで、富士山の五合目に行き、お店の方に「良い履物は」と尋ねると、同じような地下足袋を薦めてくれた。これを履いて登頂して、若さにまかせて砂走りを勢い良く下って、駅の階段を登るのに苦労した経験を思いだす。

12:00比較的登山道が広く、路側帯に石ころが敷き詰めてある所、しかも風当たりもない場所があったので、昼食の時間にする。高天原山荘が作ってくれたおにぎり弁当は美味しかった。正面には立山や黒部ダム、更にこれから進む野口五郎岳などのパノラマが楽しめた。

12:38昼食、休憩を終えて、再び同じような下り道を進む。12:52これまで、ずっと下って来たが、これから上り坂になる。

13:28東沢乗越。14:28岩山の両方に道が別れているが、私達は風の当たらない右コースへ進んで、約30分の休憩をする。

15:04真砂岳分岐。これから右折すれば、4時間30分で湯俣温泉の青嵐荘に降りられるそうだ。予定では明日ここまで引き返して下る計画である。

私達は真砂岳の頂上には登らずに、西側の斜面をトラバースする。15:25「野口五郎岳へあと1km」の地点に着く。

15:47野口五郎岳(2924m)頂上で記念撮影。前方下に今晩泊まる野口五郎岳小屋が見える。もう宿は直ぐそこなので、4時過ぎまで休憩する。

16:18野口五郎岳小屋に無事到着して宿泊手続きをする。1泊三食付きで9500円。

野口五郎小屋の小家主さんをはじめ、従業員すべて大変親切で気持ちが良い。料理も大変手が込んでいて美味しい。窓口の男性にカメラのバッテリー充電が出来ないか尋ねると、「テレビの下のコンセントを使ってどうぞ」と快く許してもらった。本当に有り難い。天にも登る心地であった。

19時前に夕日を見に外に出ると、薬師岳の上に沈むところであった。夕食後テレビを見ていると、テレビの下に「野口五郎岳」のペナントが掲げてある。傍に「希望者には無料で」と書いてあるので、親切そうな男性に「このペナントが欲しいのですが、いただけますか」と尋ねると「どうぞ、どうぞ」。仲間の分も合わせて4枚いただいた。

私達の仲間で翌日のコースについて意見が分かれていた。そこでその男性に翌日のコースについて「竹村新道ー湯俣温泉コースと烏帽子コースのどちらが良いか」相談する。その方は、「今日、高天原山荘から何時間かかりましたか」と私達の歩き振りから判断して、「竹村新道ー湯俣温泉コースは下りが主で楽なようだが、急な下りで膝をいためる危険性がある。多少アップダウンはあっても、烏帽子コースは登山者も多く、道が良く整備されているので、このコースをお勧めします」という示唆を得た。「どちらにしても、明日出発の折に私達に選択の結果を知らせてください」と慎重だ。

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