吾妻山 MT.AZUMA (2035m)
 6月17日(火)晴れ

 今日は吾妻山に登る日である。でも吾妻連峰は実に広くてとりとめもない、那須火山帯最大の火山群である。東から昨日登った吾妻小富士、東吾妻山、中吾妻山、西吾妻山と並んでいる。私達が予定している登山コースは天元台ロープウエイ、登山リフトを3回乗り継いで北望台に上がり、人形石を経て西吾妻山に登り、若女平コースで白布温泉に下山することである。

 そこで夜明けは早いし、朝食まで時間があるので、朝食前に五色沼観光に出かける。、4:30に宿を出発し、4;55に五色沼駐車場に到着。ここで各自散策に出かける。早朝の赤沼は美しい。5:35弁天沼に到着。ここで引き返し、6:08に駐車場へ戻り、バスの人となる。6:21宿に帰り身支度。7時前にレストランが開いたので、朝食をとり、7:37に出発する。今日のドライバーはKさんである。

 7:54秋元湖、8:10磐梯吾妻レークラインへ。左側に檜原湖が美しく輝いている。8:45白布峠、ここは山形県で最上川の上流、正面に吾妻山が見える。9:00天元台高原ロープウエイ湯元駅駐車場に到着する。

 9:20ロープウエイで天元台ロッジへ、そこからリフト駅へ歩き、ザックを前に抱き、二人掛のリフトで登って行く。爽やかなそよ風を受けて気持ちが良い。下を見ると黄色のタンポポが広がっている。樹木には親切に「オオシラビソ」「ダケカンバ」とリフトから良く見えるように名札が掛けてある。リフトを乗り換えて終点の北望台駅に到着したのが10:07であった。

 北望台から右にオオシラビソの樹林を巻きぎみに登る。リフトの係員が「雪があるので、気をつけて」と親切な言葉を掛けてくださったが、この辺りにはまだ雪がない。ショウジョウバカマが目に入る。まず目指すのは人形石である。10:30三角形の案内指標28番で休憩。

 これから雪の樹林帯(斜面)をしばらく進むことになる。雪道を抜けて樹林帯を一列になって登れば、まもなく人形石(1964m)。夏山ならば北望台から40分ばかりで来られるようだが、休憩をした上に雪道なので、1時間かかっている。

大きな岩の人形石を背景に集合写真を撮り、次の梵天岩を目指す。そこへ行くまでには大雪渓を超えなければならない。

 

 雪渓を一列になって進む姿は写真にすれば、なかなか興味がある。アイゼンをつけていないので、よろめきスタイルが見られる。滑ったり転んだりの場面は出ていないが、、、。

 11:52暖かい木道のある所で昼食、休憩。食事を終えて少し進むと、正面に岩。梵天岩である。(12:15)「この字はなんと讀むの?」「ぼんてんいわ!」黒々とした大きな岩が積み重なっていて良い展望台になってるが、仲間は展望を楽しむようなことはしないで進んでしまった。

 ここから更に進むと12:23天狗岩(2005m)という岩の台地である。向こうの端に吾妻神社が見える。ここで道は二つに分かれる。右へ行けば吾妻神社の方を通って西吾妻山ヘ行けるが、ここでは神社にお参りしないで左の道へ進んで仲間に続く。

 12:40案内標識49番通過。緩やかなスロープを登ると、12:43吾妻連峰の最高峰、西吾妻山の頂上に到着する。頂上といってもオオシラビソの林に囲まれた小さな広場で眺望は悪い。「西吾妻山」の標柱の所でグループごとに写真を撮りあっている。

写真撮影が終わると西吾妻小屋へ向かって出発する。みんな小屋での軽食、休憩を楽しみにしている。ところが到着してみると小屋は閉ざされている。仕方なく小屋と若女平コースへの木道との交点で13:00から食事をとる。

 近くにある茶色の菱形案内標識には上段に「若女平コース」中央に「白布温泉ー 若女平ー西吾妻山」と書いてある。これからはこのような標識が頼りである。雪渓を渡る場合は誘導ロープや竹にピンクのリボンを巻き付けてあったので、安心して進むことができた。

 昼食を終えて13:20白布温泉を目指して出発する。最初は木道があるので、青空の下るんるん気分で進んでいたが、樹林帯に入り木道がなくなって、雪の樹林帯を進むようになると、みんな神経を使う。リボンや案内標識を見落とすまいと一生懸命である。

でも13:43案内標識もリボンも見当たらず、それぞれ手分けして探す。雪がなければ踏み後があるが、雪の上には何の足跡もない。このコースへ来る人がいないらしい。暫くして「あったっぞ」という声が下の方でする。近寄ってみれば、大きな幹の高い所に大きい茶色の案内版が付いている。縦書きに「西吾妻山ー白布温泉」と記載してある。「これを下れば大丈夫だろう」「後戻りをした方が良かろう」と意見が分かれた。リーダーは「もうこれから帰っても、リフトの最終便16:00に間に合わない。このまま進んでみよう」と下り始めたが、やはり案内標識は見当たらずダメ。14:00みんなで引き返すことになった。

 雪の急な斜面を下るのも大変だったが、一旦下ったのを再び登って行くのはもっと大変である。大きな樹木の根元には雪の擂り鉢がある。細い雪道を歩くとき、この擂り鉢に滑り落ちる人もいる。苦労しながら進んで、14:46やっと木道の所まで戻った。

木道が続くのならば、安全であるが、雪道や雪渓が待っているので、これから全員がリフトの所まで帰るには相当時間がかかる。取りあえずリーダーは急いで北望台駅まで戻ることにした。残った者はサブリーダーと一緒に安全に気をつけて後戻りをする。

14:47天狗岩の吾妻神社の方に到着する。雪道で気を使うので、お互いにかなり疲れている。たびたび休憩をして体力の維持をはかる。

15:05大岩の下で休憩。この辺りでようやくリーダーとの交信が携帯電話で出来るようになった。現在位置と仲間の状況を伝えると、けが人がいたり、足の悪い人がいるのなら、ゆっくりで良い。リフトは特別に遅くても運行してもらえるという知らせを聞いて一同大喜びである。15:30雪の林で休憩。16:09人形石まで戻る。

 17:08北望台駅に全員到着。互いにリーダーと駅員の親切な取り計らいに感謝する。リフトに乗る時も各自係員に「有り難うございます、遅くなってすみません」の言葉をかけながら感謝の気持ち一杯でリフトとロープウエイを乗り継いで17:50に下界に降り立つことが出来た。お陰で18:00には白布温泉の秘湯で有名な宿「西屋」に到着。暖かいもてなしを受けた。ここには東屋、中屋、西屋と並んでいたが、2軒は。火事で焼けて、この西屋だけが現存しているのだと女将さんが説明。

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