町の広報で「のろしリレー」が2017年7月15日午前9時から田布施町ふるさと詩情公園の高台で開催されることを知った。
昔は遠隔地同士の情報伝達方法の一つににのろし(狼煙、烽火)を上げることがあった。狼煙(のろし)が上がるのを見たら、直ぐに狼煙(のろし)を上げて、次の地点に合図する。このように次々に狼煙(のろし)のリレーをして、遥か遠くの地域にも早く情報を伝達する方法をとっていたようである。
英語の辞書を見ると、狼煙(のろし)のところに、signal fire, warning light, beaconなどが載っている。狼煙(のろし)を上げることは light a signal fire (a beacon)と言う。更に英国では「のろしを上げる丘」をbeaconと言うそうである。
インターネットで狼煙(のろし)の検索をすると、「見ぬ友と心を結ぶのろしリレー2017」というのが数多く見られる。全国各地で煙でつなぐイベント「見ぬ友と心を結ぶのろしリレー2017」
を開催する計画である。
その中の一つ、「広島安芸地区地域起こし推進課」のホームページには次のような説明がしてある。
広島安芸地区絵下山(えげさん)をスタートし、瀬戸内を中心に全国の仲間で、各地をリレー。
同じ時間に、同じ空に向けて、それぞれが人や地域のつながりを感じながら上げる「友情の狼煙 (のろし)」。皆さんも一緒に上げませんか。
田布施町の狼煙(のろし)リレーの会場である公園の丘に登ってみると、観光協会、郷土館、ボーイスカウト、ガールスカウトなど、狼煙(のろし)リレーの関係者が狼煙(のろし)を上げる準備中であった。
中央にはイベントの幟旗(のぼり)、「山口 田布施 見ぬ友と心を結ぶのろしリレー」が2本立っている。そして狼煙(のろし)を上げるのに使う道具や青々とした杉の枝、古代火起こし道具、伝書鳩の入っている鳥籠(とりかご)、ホラ貝ラッパなどが用意されている。更に楽しいことは、ポップコーンの袋やポン菓子製造機などがある上に、風車を作って遊ぶ用意までしてある。
イベント主催者による開会の挨拶が終わると、先ず郷土館の高橋さんが子どもたちに向かって、昔の通信や情報伝達の方法について、やさしく、分かりやすい説明を始められた。
「今日では、情報を伝えるのに電話や手紙などがあるが、昔の人はどうして遠い所にいる人に通信していたのだろう?
飛脚(ひきゃく)、太鼓、鐘、笛、ラッパ、伝書鳩、狼煙(のろし)など。
サッカーの試合でも、審判は笛を吹いてフアールの警告をする。イェローカード、レッドカード。キックオフの時や前半終了時、試合終了時など、全て笛のふき方で合図する。
続いてホラ貝のラッパ所有者ファームランドの時永さんによるホラ貝ラッパの説明とふき方の指導があった。数名の子供がホラ貝ラッパを吹いてみるが音は出ない。難しいものである。
平生(ひらお)の般若寺(はんにゃじ)で行われる「修験者の火渡りには、修験者のホラ貝が鳴り響きます」と説明し、その場で上手にホラ貝を吹いて聞かせてくださった。
次に登場されたのは伝書鳩の所有者、山本さん。上手に伝書鳩を握って足に通信缶を縛り付けながら色々と説明をされる。伝書鳩は自分の家に帰りたいから、自分の家を目指して一生懸命飛ぶ。
どのぐらいの距離を飛ぶのだろうか。700km。東京まで? 暗くなったら途中でも休む。
子供達は通信用の紙をもらって、伝えたいことを記入する。
記入が終わると、通信缶に収めて、いよいよ我が家に向かって伝書鳩が飛び立つ。
最後は、火を起こして狼煙(のろし)を上げる作業である。昔ながらの火起こし機で火を起こすのは容易ではない。元気そうな男性が一生懸命に横になっている棒を何度も上下に動かすけれども、簡単には発火しない。途中で交代して何度か汗をかいて、漸く着火した。
火種が出来ると、筒の中の木炭に着火して火を大きくし、それをドラム缶に入れて、杉枝を燃やす。良く燃えだしたら、子どもたちが次々に杉枝をドラム缶の中に投げ込む。だんだんと狼煙(のろし)らしく煙が舞い上がり始める。このようにして狼煙(のろし)リレーが無事におこなわれた。
無事に狼煙(のろし)リレーが終わると、全員が「山口 田布施 見ぬ友と心結ぶのろしリレー」
の幟旗(のぼり)と狼煙(のろし)の煙を背景に集合写真を撮る。
その後、こどもたちは風車を作って遊んだり、お菓子を作ったりして楽しんだが、私達は係の人にお礼を言って、引き上げた。
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