三瓶山(さんべさん)の頂稜空中散歩

ーぐるっと一周(逆時計回り)ー

三瓶温泉〜孫三瓶山〜大平山=女三瓶山〜男三瓶山〜子三瓶山〜三瓶温泉
 三瓶山は島根県のほぼ中央にあり、白山火山帯に属する活火山である。10数年前に職場の仲間と西の原から登ったことがあるが、初心者もいて、縦走等は考えもしなかった。でも名前が魅力的な上に、緑に包まれた女性的な山容は私の心を引き付けるものであった。「あの外輪山を一周してみたい」とずっと思っていながら、行事や仕事の関係で中々実行できなかった。

 この度「のぞみ会」の忘年登山は三瓶山ということが決まった時、まっ先に申し込みをした。登山口は東西南北の4方向から6〜7コースあるらしいが、今回は南の三瓶温泉の方からの登山である。国民宿舎「さんべ荘」の駐車場で身支度や準備運動をした一行は、8:45に出発して「さんべ荘」の直ぐ裏にある「夫婦松コース」の登山口から入山する。

 木立の中の登山道は良く踏まれており、歩きやすい。多少のジグザグはあるが、最初の内は北に向かっての直登である。薄暗い道を登っていると少し汗ばんでくる。9時に東屋に到着して休憩。水分補給をしたり、衣類を1枚脱いだりして、これからやってくる急登に備える。
 9:14、子三瓶山への分岐点を通過する。益々急坂になってくる。9:20、やや平になった所で小休憩。9:27、再び急坂になる。

9:52、孫三瓶山の頂上に到着し、10時まで休憩。頂上の標識柱を背景にスナップ写真を1枚撮る。

 しばらく急な坂を下って、10:15、下りが終わって平地になり、10:17に室ノ内分岐点を通過する。そこには「孫三瓶山へ20分、大平山へ15分」という標識がある。そこから大平山への道はほぼ平坦な笹の遊歩道の感じである。
 クマ笹の道は落葉樹の葉が落ちているので、青天井が見られ、小春日和の里山を歩くような気分である。一列になって歩く一行は足取りも軽やかに大平山を目指して直進している。後ろを振り返れば、木立の向こうに尖った三角錐の孫三瓶山、その右に子三瓶山が仲良く並んでいる。

前方には女三瓶山と無線中継塔が見えてきた。左前方には男三瓶山がどっしりと聳えている。10:35大平山頂上に到着して休憩する。

 大平山山頂は広場になっていてベンチもあり、公園のような感じである、直ぐ下は東の原スキー場でリフトもある。だから観光客が簡単にリフトで登って来る所であろう。北の正面を見上げれば、無線中継塔が林立した女三瓶山が直ぐ目の前にある。

 10:40に大平山を出発して坂を少し下ると、室ノ内展望台のある鞍部に出る。そこは東の原から登る道が交差していて立派な案内標識が立っている。傍に分かりやすい案内地図もある。

 女三瓶山への道は下の写真のように大きなジグザグの道であるが、それ程急な坂ではない。案内標識には「女三瓶山へ25分」と書いてあったが、20分で頂上の展望台に立つことが出来た。丁度そのころは空に黒い雲がかかり、写真が暗かったので、修正してやっとこの状態である。
 女三瓶山では11時からしばらく休んで、男三瓶山を目指して出発する。最初は少し下るが、11:13これより急登にかかる。下の写真のように岩のジグザグ道を注意しながら登って行く。11:18兜山。ここには「ユートピアへ13分、女三瓶山へ10分」の案内標識がある。兜山から少し下ると再び急坂、しかもガレ場が続き、苦労して登る。

 

 犬戻しというガレ場を滑りながら登って、11:30比較的平らな所で休憩する。ここにはベンチもあり、難儀をして登った所だけに、これこそユートピアと言えよう。

 休憩を終えて更に草原の登山道を登って行くと、11:52、広い雪の台地にやって来た。もう頂上も近い。折角の雪景色なのでスナップ写真を1枚撮る。11:54、避難小屋が見えてきた。外も日が照っているので、風が当たらなければ、暖かいのだが、全員避難小屋の中に入って昼食をとる。

 小屋の中も日ざしを受ける窓際は暖かいが、日の当たらない所は寒いらしく、早く食べた人たちは直ぐに「寒いから出発するぞ」と言い出した。小屋の中にはベンチもあるが、19人はかけられない。はみ出した私達は靴を脱いで板張りの間に上がって日の当たる所で食事をしていたので、出発の号令がかかると大変である。急いで片付けて、靴を履き、12:16やっとの思いで出発の仲間に入れてもらう。

 12:18男三瓶山の一等三角点にタッチする。山頂は広く、何も妨害がないので、360度見晴しは抜群である。ただし、上空に雲がかかり、雪山の写真は良いものにならない。一応頂上の雰囲気を示す為に1枚掲げておく。

 東側の木製の展望台からは室ノ内火口原をはじめ、これまで縦走して来た山々、これから行く子三瓶山まで外輪山が良く見渡せる。更に遠く中国山地の山々が眺められる。12:25まで頂上で写真を撮ったり、周囲の景色を眺めたりして休憩する。

 休憩後、南の子三瓶山を目指して急な斜面を下らなければならない。これからがこの縦走コースの一番の難関である。北アルプスの三大急登があるが、それにも勝る急傾斜と滑りやすい石ころ道が待っている。最近仲間の内に2名も転んで腕の骨折をした人がいるので、全員慎重に下って行く。

 13時やっと急な下りを終えて、扇谷分岐という鞍部に到着して休憩する。ここには「西の原へ2km、室ノ内池へ1km」という標識が立っている。

 西の原への分岐から子三瓶山へは、真直ぐに登って行けばよい。13:13、これより急登が始まる。この縦走コース最後の急登を頑張ると子三瓶山。縦走コースから少し右に分かれて、13:26草原の丸い子三瓶山山頂に到着する。室ノ内池やこれから下る道の風越交差点が良く見える。

 休憩後、13:35に下山開始。急な坂を下って行くと13:56風越の交差点に到着してする。案内標識には「子三瓶山へ40分、三瓶温泉へ30分」と記載されている。私達はもう孫三瓶山へは登らないで、三瓶温泉の方へトラバースする。これからしばらく高度的には殆ど平坦な山道を行けばよい。木漏れ日の射す落ち葉の小道をカサカサと音を立てながら楽しいハイキングだ。

 14:17今朝登った孫三瓶山への登山道の分岐点に到着する。「駐車場まで30分」の表示が出ている。14:23東屋。14:35登山口。

14:37無事さんべ荘の駐車場に到着する。ここで温泉に入って汗と疲れを流し、爽快な気分で帰りのバスに乗り込む。マイクロバスの出発は15:30。私たちは眠くなれば眠っても良いが、ドライバーは大変である。彼の安全運転のお陰で、一行は18:45に徳山東ICまで帰ることが出来た。

皆で感謝の気持ちをこめて大きな拍手を贈り、互いにお礼を言って、家路についた。会のリーダー、運転をされた方、仲間の皆さん本当に有難うございました。お天気も良く、三瓶山一周の縦走が楽しく出来て大満足。感謝、感謝。

Top ページへ戻る