南アルプスの雄、花崗岩の白いピラミッド

甲斐駒ヶ岳 KAIKOMAGA-TAKE(2967m)

7月5日(日曜日)

 今日は待望の甲斐駒ヶ岳登山である。山荘の主人も私達32名のことを考えて、リーダーと安全で、快適な登山について

考え、助言してくださったようだ。その結果、昨日の仙丈ヶ岳より、もっと厳しいということで、予定よりも出発が早くな

る。5時出発で、コースも疲れて仙水峠から駒津峰への急登に挑むのは大変だろう、それより朝の元気な内に北沢峠から

双児山への急坂へ入った方が良かろうということになった。

 4時に起床。弁当を2食分もらう。まだ早いと思ったが、殆どの人が、その場で朝食を始めたので、私もそれにならう。

準備が早くできたので。出発は4:50だった。この度の山旅で2回下った大平山荘の前の原生林の坂道を南アルプス林道

の方に上る。5:06に林道に出て、そこから北沢峠バス停まで歩く。しばらくトイレ休憩。

 5:15に長衛荘右手の登山口を出発する。シラビソ林の登山道を登ると、5:50に尾根に出る。山腹の樹林帯をジグ

ザグに登ってゆく。6:00休憩。休憩後もしっかり急登が続く。7:03双児山の南峰(低い方の頂上)に到着する。

そこには小さなお地蔵様があるが、木立の中で展望はゼロである。そこから少し下って岩ゴロ道を登ると、だんだん森林

限界に近付く。空も青空になり、気分は爽快。、ハイマツ帯に入ると視界が広がり、正面に甲斐駒ヶ岳、振り返れば仙丈

ヶ岳が見える。左には鋸岳が西の方に伸びている。

 8:15双児山の北峰(2643m)の頂上に到着する。北沢峠から標高差が600mあまりの地点である。

双児山の南峰の頂上、お地蔵さん
岩がごろごろした双児山の北峰の頂上
駒津峰の向こうに甲斐駒ヶ岳が姿を現す
双児山の向こうに仙丈ヶ岳
ノコギリの歯のような鋸岳が西に聳える
双児山を下って振り返れば後ろに仙丈ヶ岳
 双児山北峰からどんどん下り、振り返れば、双児山の背後に昨日登った仙丈ヶ岳がどっしりと聳えている。更に下って

鞍部のシラビソ林まで下る。これから駒津峰へ向けてガレ場を登ってゆく。

 8:13駒津峰(2750m)頂上に到着する。ここから仰ぐ甲斐駒ヶ岳の雄姿は格別である。早速、写真を撮る。

更に記念に自分の写真も撮ってもらう。駒津峰から岩尾根を北に進み、険しくなった急な岩綾を下れば、六方石の巨岩

へやってくる。更に北進して前を見ると、急な巨岩の絶壁を下って来る数名の登山者が、足をどこに置こうかと苦心して

いる。これが甲斐駒ヶ岳ヘの直登コースなのだ。私達は右側への巻道コースを進むことになっている。途中イワウメが岩

に咲いているのを発見する。イワヒゲ、ツガザクラ。8:55岩場の後で休憩する。

駒津峰の頂上広場から甲斐駒ヶ岳を仰ぐ
近付くにつれて白い花崗岩の山肌が見えてくる
  9:16分岐を右にとり、摩利支天の方にトラバースする。いよいよ甲斐駒ヶ岳の本峰への登山である。潅木を抜け、白砂

の滑りそうな登山道をゆっくりと登ってゆく。左の上方が頂上である。9:37摩利支天ヘの分岐を過ぎる。これまでは比較的

緩やかなスロープであったが、これから岩綾帯に向かって稜線までジグザグに登ってゆく。9:48稜線に到着、ここで左折し

て進めば、甲斐駒ヶ岳への胸突き八丁。

 10:14甲斐駒ヶ岳(2967m)の頂上に立つ。一等三角点のある頂上には石の祠があり、多くの登山者が写真を撮っ

たり、雄大な眺望を愛でている。でも残念ながら視界が良いとは言えない。ここで10:50まで昼食、休憩である。

出発の時間に近付くと、ガスが下から湧いてきた。急いで集合写真を撮り、下山開始。気を引き締めてゆこう!

滑りやすい花崗岩砂の細道をトラバース
摩利支天への分岐、私達は左上に進む
黒戸尾根に合流し、左へ稜線を登る
石の祠がある甲斐駒ヶ岳の山頂
消えかかった甲斐駒ヶ岳の標識でポー字
下山だ。気を付けて!摩利支天にガス
急な岩場は後ろ向きで下りる方が安全
 下山は、駒津峰までは、登ったコースを引き返すのであるが、滑りやすい花崗岩砂の細道やアップダウンの険しい岩場がある

ので、登りに負けぬぐらい汗が出る。11:21「駒ヶ岳ー六方石」の標識を通過。ナナカマド、ツガザクラ

11:33岩場の途中で休憩をする。一難去って又一難、一つ越えれば叉岩場がくる。「大岩の手前の岩に雷鳥がいる!」の声。

12時に岩場のピークを過ぎ、12」09駒津峰の頂上に到着して10分間の休憩。東方に鳳凰三山が雲間に見える。、中でも

一際目立つオベリスクの地蔵岳を教えてもらう。(視界が良くないので、写真にはならない)ツマトリソウ

 駒津峰から眼下に見える仙水峠までは双児山の急坂にまさる急な下りが続く。膝を傷めないように注意して下る。

 12」58甲斐駒ヶ岳が良く見える所で写真撮影休憩。これから樹林帯に入るともう見えないのだ。右側の摩利支天の岩峰も

良く見える。針葉樹林になり、やや緩やかになると明るく開けた仙水峠である13:40。両斜面とも岩が積み重なりごろごろ

した仙水峠で休憩する。岩塊斜面を右(西の方角)にしばらく下リ、シラビソの森に入る。比較的なだらかな登山道を下ってい

ると、水の音が聞こえてくる。2:20目の前に仙水小屋が現れた。その傍を通って下の沢を渡り、沢沿いに下ると、大きな

堰堤にやってくる。大きな堰堤を2〜3回越し、沢を渡ると、14:58北沢駒仙小屋(旧北沢長衛小屋)に到着して休憩する。

その直ぐ下側、左隣の土手に北沢長衛翁のレリーフがある。ここから広い道を歩いて行けば、15:15南アルプス林道に到着

する。そこにはバスが1台待っている。もう1台バスを呼んでもらって、私達は歩かずに宿の大平山荘まで送ってもらう。そこ

で5分間待ってもらって、預けておいた荷物を取に行く。、15:25に山荘の管理人御夫妻の見送りを受けながらバスは再び

仙流荘への復路を走る。偶然にも運転手は往路でお世話になった楽しい物知り博士であった。右側の斜面にカモシカ、花があれ

ば見せてくれる。平成2年に皇太子殿下が甲斐駒ヶ岳に登られた時の話。右側に見える山々を良く見せてもらう。鋸岳、甲斐駒ヶ

岳、駒津峰、双児山と並んでいる。バスターミナルの仙流荘に到着すると、待ち構えていた大形バスに乗り換えて、一路その晩

の宿、昼神温泉のグランドホテル天心に行って、2日間の汗と疲労を流す。万歩計は24983歩になっていた。

 翌日7月6日はは長浜黒壁スクエアーで観光をしながら、予定より早い時間に帰ることができた。企画者、運転手、協力的で

元気な参加者のお陰で楽しい山旅が出来たことを感謝している。感謝、感激。

 

振り返って、もう一度甲斐駒ヶ岳、摩利支天を
仙水峠でくつろぐ一行
仙水小屋、傍の沢には水力発電装置もある。
右も左も岩塊斜面の谷底を下る
公営の施設になり、小屋の名前も変わる
石垣にはめ込まれた北沢長衛翁のレリーフ
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