ホーランエンヤ(HORAN-ENYA)-日本三大船神事

12年に一度の豪華絢爛な踊りと船行列

ーダンダンの松江は車両規制で人、人、人ー

船首に「いーまかた」と書いた馬潟地区の櫂伝馬船、船首では勇ましい剣櫂踊り

 ホーランエンヤという耳慣れない言葉を聞いたのは3月であった。テレビかラジオで「今年の5月に

12年に一度の日本三大神事の一つであるホーランエンヤが松江市で開催される」というニュースであった。

早速インターネッで検索すると、「ホーランエンヤ 日本三大神事 平成21年5月開催」という表題で

次のようなお知らせが出ていた。

  ●2009年5月4日    本番さながら「衣装揃い」

  ●2009年4月30日   中日祭で水上櫂伝馬踊り決定!

                松江=東出雲会場 臨時シャトルバス運行

  ●2009年2月18日   野津 龍著「日本三大船神事ホーランエンヤ」刊行

                インターネットでのお申し込みはこちら(山陰中央新報社)

 これを見て即座に注文する。下記の写真は3月20日に届いた冊子の表表紙と裏表紙である。

 

 この冊子は平成9年のホーランエンヤの様子がカラー写真で紹介され、360年の歴史を持つホーランエンヤ

の起こりや、船行列のコース、5つの曵き船の順序などが詳しく説明されている。

渡御祭ーとぎょさい(5月16日)

   松江城の北側にある城山稲荷神社から大橋川、中海。意宇川を経て東出雲町阿太加夜神社までの御神幸。

中日祭ーちゅうにちさい(5月20日)

   神幸祭の中日に阿太加夜神社及び意宇川でで行われるお祭り。櫂伝馬船の踊りも見られる。

還御祭ーかんぎょさい(5月24日)

   上記の逆コースで阿太加夜神社7日間の豊作祈願などの大祈祷の後、城山稲荷神社へ還御する。

 最初の予定では5月16日の渡御祭にお参りする予定であったが、妻が余り乗り気でない上に、天気予報では

雨模様であったので、出発を中止した。これを逃せば、もう残るのは還御祭のみである。ツアー会社の計画にも

「ホーランエンヤ 還御祭」があったので、尋ねてみると、希望者が少ないので、中止したという返事であった。

そこで5月23日土曜日の早朝、出発して高速道路を1000円で三次ICまで走り、そこから国道54号線を

北上する。丁度JAF Mate 6月号に「縁結びの地」出雲路をめぐる旅というドライブ ガイドが載っていたので、

宍道湖を時計周りに、ゆっくりと観光しながら松江市役所の近くのホテルへ16:35に到着する。

 5月24日、いよいよ待ちに待ったホ−ランエンヤ還御祭の日である。朝起きてみると、空はどんより、雨は

免れられないだろう。ただ少しでも避けてほしいと祈るばかりである。ザックに二人分の用意をして、8:30

のマイクロバスで松江駅まで送ってもらう。、

 駅には同じような身支度の観光客がもうやって来ている。まだ駅前の観光案内所が閉まっているので、駅で

買い物をしたり、周辺を散策して案内所の開館を待つ。9時に開館すると、待っていた観光客が押し掛けて案内

を乞う。私達もホ−ランエンヤの地図や資料を貰い、どの辺りで見るのが一番いいか教えてもらう。

 広い駅前通りを真直ぐに北上すると、もう大橋川の川岸にはゴザやシートが敷いてあり、座席がとってある。

その上、この辺りは櫂伝馬船の剣櫂踊りが12:30に始まるというのに、もう沢山の人が椅子に座ったり、

シートに車座になったりして場所を確保している。

 私達はトイレが近くて、見やすい所とういう条件で場所を探し、福祉団体席の隣に席を確保する。これから

3時間ぐらい待たなければならない。時々小雨も降ってくるが、誰も呑気に構えている。12時頃になると、

右側のくにびき大橋の辺りに豪華に飾った船団が集まってきた。

 12:36に花火が上がり、笛の合図で掛け合いの歌声が聞こえて来た。冊子23ページの紹介:

 出船(音頭)エ−サンエ−エエ ヨヤサーノサー  (櫂)サノエーエエ ヨヤサーノサー 

 進航(音頭)ホラホサアーノサー エヤホーエイヤー(櫂)ホーラホーサアーノサー エヤホーエーヤー

 踊り唄(音頭)ホー オオエンヤ  (櫂)ホーランエーエ ヨヤサノサ エーララノランラ

       その他、早櫂、流し櫂、棹唄、接岸着船の唄があるようだが、ここでは省略する。  

      

 

奉祝 松江城山稲荷神社 協賛船

12:20

最初に私達の前に接岸して用事をしたお供船

12:14

矢田地区の櫂伝馬船、船尾では菜振りの踊り、

12:57

大海崎地区の櫂伝馬船が一番目にやって来る

舳先に「先頭船」の幡を掲げている 12:47

馬潟地区の櫂伝馬船、船首では勇壮な剣櫂踊り

12:58

金色の擬宝珠を高く掲げた矢田奉迎船

12:57

雨にも負けず、沖を時計周りに回る船行列を拝む観客

「前の人は傘を畳んで!」と怒鳴られる 13:00

馬潟地区お供船の船団、12:59
福富地区の櫂伝馬船、剣形の櫂を剣のように振って

踊るので、「剣櫂踊り」と呼ばれる。13:06

大海崎地区の櫂伝馬船、ここの剣櫂踊りは

黒紋付を着ている。、13:03

矢田地区の櫂伝馬船、幟に二番船と染め抜いてある。

13:13

大井地区の櫂伝馬船、菜振りの踊りは女形、三番船。

13:10

大海崎地区の櫂伝馬船、先頭船の幡が良く見える

13:17

馬潟地区の剣櫂踊りのズームイン

13:14

 船行列は2周ということだが、私達の所は3周になり、ホーランエンヤを12分に堪能できた。その上、

雨もひどくなってきたので、引き上げることにした。新大橋は相変わらず大勢の観客がいるが、その間を

縫ってホテルへ帰る。ホテルのロビーでは、テレビで実況放送をしながら、江戸時代からの伝統あるホー

ランエンヤの様子を蒔絵を開いて説明をしていた。次に紹介する画像はテレビのスクリーンに映った画像

をデジカメで撮ったものである。

 この日は、観客が多くて、車両規制をしているので、ホテルに車を駐車できない場合、最初は出雲郷

小学校の臨時駐車場に車を置いて、シャトルバスで往復する予定であったが、本当に良いホテルが近く

にあって良かった。ホテルの従業員は大変親切で、楽しい旅をすることが出来た。

帰りは同じ道を逆コースで安全運転をして無事帰宅できた。 

 お天気が良ければ、写真はもっと綺麗に撮れただろうが、何とか見えるので、これで我慢していた

だきたい。いずれにしても、あの壮大な、豪華絢爛たる船行列は筆舌に尽くしがたい。やはり無理を

してでも出かけて良かった。


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