朝日新聞2006年4月5日付けの「生活」面に鉛筆の「持ち方を直してみよう」との特集が載った。その中で
ある県立高校の書道担当の塩山先生が、鉛筆を「きちんと持っているのはクラスで一人いるかいないか」と言っておられる。
これは見方が厳密すぎて極端かも知れないが、兎に角、私たちの周囲を見ても、またテレビを見ても、箸や鉛筆・ペンの持ち方がおかしい人をよく見かける。「あれでは物が挟めないだろう。あんなぎこちない書き方をして」と思った経験はどなたにもあるのではなかろうか。
神奈川県の押田さんは「正しい持ち方として決められた形はないが、標準的な持ち方をすれば、書きやすく、疲れにくくなるはず」と強調しておられる。全く同感である。
鉛筆や箸の持ち方は生活の基本である。その基本の「き」を小さいときから早く身につけさせれば、その子は何事にも自信を持って立ち向かうことが出来る筈である。
以前は、親は勿論のこと祖父母や周囲の人が箸や鉛筆の持ち方に気を付けて注意していた。ところが核家族が進んだ今日では、注意する機会が少なくなっただけでなく、場合によっては逆に注意を遠慮する傾向さえ生じてきた。
これでは、小学校へ入学して1年生の担任が特別に気を付ければ別だが、気にしないで、放っておくと、もう大きくなってからでは修正が難しくなる。市販の矯正器具もあるので、鉛筆の持ち方がおかしいと気付いたら、早く「正しい持ち方を身につけさせてやりたいものである。小学校では英語の勉強を始めるよりも、このような基本の「き」をしっかり身に付けさせることの方が大事なのではなかろうか。